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日和見主義者のメモ帳


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2024/05/14(Tue)17:43

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No.|CommentTrackback

カクレハルキファン

2006/11/13(Mon)13:06



 「僕」の語る内向的世界観、というイメージだけで語られることが多いので、いい大人になってからは口にしないようにしていたが、バブルの頃からハルキの愛読者である。ノーベル賞候補にあがったことで「黒船」みたいに再評価熱が高まっている(?)のに乗じて、開き直ろうと思う。

 で、上記2冊を読んでいる。清水は、難解な評論ではなくて、震災や地下鉄サリン事件に遭遇することで、村上の作風や世界観がどう変わったかを軸に。翻訳者でもあるルービンは友人でもあるだけに、村上の伝記的要素も盛り込んでいて興味深い。陽子夫人についても言及した数少ない村上本。

 村上は作品の中で日本文学を殺した、との指摘にはっとした。鼠、羊男、レイコさんなど、複数の作品に姿を変えながら登場する彼らは、一体何なのか。めんどくさくて考えることを避けていたメタファーの霧が、ちょっとずつはれていく感じが心地よい。

 バックグラウンドを知ることで、改めて「物語」の力はすごいなと痛感。「事実」にしばしば拘束される身としては羨ましくもあり、恐ろしくもある。
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No.30|諸々Comment(4)Trackback()

Comment

無題

2006/11/13(Mon)22:05

長じて「村上春樹好き」の公言がはばかられる気持ちはわかる。村上 春樹も龍も好きだけど、前者はまだまだ何かを抱えたままなところがあり、後者は随分と変わった。変われないほどのオブセッションを持ち続けているところが、村上春樹の凄いところの一つだと思う。学生の頃は 文学や映画にメタファーが出るのが嫌でたまらなくて春樹が読めなかったのだけど、漬物みたいにどっぷり漬かってるといつのまにか慣れた。

No.1|by なし|URLMailEdit

無題

2006/11/16(Thu)13:22

『若い読者のための短編小説案内 』の文庫のための序文が興味深い。作品を作るということに対する姿勢に共感する所がある。
私も始めは嫌いだったはずなのに、今ではやれやれ。

No.2|by yumi|URLMailEdit

無題

2006/11/16(Thu)18:23

そうだ、yumiさんは嫌いでしたな。
最近、R・チャンドラーを読み返した。共通点があるような気がした。

No.3|by Atsushi|URLMailEdit

無題

2006/11/17(Fri)13:16

いや、嫌いだったんだけど、気付いたら側にあって当たり前になってるあたりが春樹の怖さ。最近大学付属図書館に春樹全集なるものが登場して、止まらない。止めてくれ。車で音楽を気持ちよく聴いている時のビートにウインカーのリズムが微妙に合わない気持ち悪さ。眉間にしわを寄せながら集中していると、どっち聴いてるんだか分からなくなる。というイメージです。R.チャンドラーね。手帳に書いとく。

No.4|by yumi|URLMailEdit

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