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日和見主義者のメモ帳


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2024/04/29(Mon)16:13

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小人バーの幸運

2006/09/27(Wed)02:27

 フィリピン最終日は、思わぬ幸運に恵まれた。とれたてのシーフードをたらふく食って、マラテのバーで知人と飲んでいたら、フレディー・アギラがいた。フレディーというのは、日本で言えば美空ひばりみたいな国民的人気を誇る歌手。旧マルコス政権時代、その世代を超えた人気の高さをマルコスが利用しようとして、選挙のキャンペーンに連れて歩いたほどの人だ。日本では加藤登紀子とかがその歌をカバーしている。

 そのバーは、いわゆる小人の人たちが経営している店で、フレディーはそこで時々ライブをしている。ライブのある日は満員になるが、今日は彼のライブがないので、客は我々を含めて10数人。残念だと思っていたら、店にフレディーがふらりと現れた。店の人が教えてくれたので、さっそく挨拶に。気さくな人で、CDにサインをしてくれた。せっかくなので、演奏していたバンドにフレディーの曲をリクエストする。メンバーも、フレディーの目の前ということでかなり緊張していたが、美しい曲だ。バンドとフレディーと小人と我々だけ。

 タガログの歌はメロディーがきれいだ。クールではないけど、情感に訴える。そういうのが好きなのね、こっちの人たちは。だから、ライブもビリー・ジョエルとか、イーグルスとか、そういうのが多い。今日はたまたま、日中に街を歩きながら、”Mrs. Robinson”を口ずさんでいたんだが、リクエストもしてないのに、ライブをしていたマークが歌ってくれた。すごい偶然。それとも、こちらの感性がフィリピーナ化しつつあるんだろうか。

 いやあ、約2週間、危ない所にも行ったし、ちょっと書けないようないかがわしい人にも会ったけど、こっちの開放的な空気を満喫しました。明も暗もひっくるめて、極めて人間臭い土地ですな。salamat!!

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No.22|フィリピンにてComment(1)Trackback()

人間みたいで気持ち悪い

2006/09/25(Mon)23:13

 マランという果物がある。ミンダナオの一部でしか穫れないコアな一品。

 ちょうど、人の頭くらいの巨大な栗みたいなもので、人の肌みたいな柔らかい触感。だから、これを割るのはちょっと気持ち悪い。で、割ると、中に人体のような得体の知れない内容物が詰まっていて、そこにらっきょうみたいな粒がずらっと等間隔に並んでいる。粒はあるべき位置に固定されているんだけど、粒同士が粘性の液でつながっている。ほんとに気持ち悪い。でも、その粒がライチのようで、うまいのである。

 写真は関係なくて、パイナップル畑。巨大だ。全部ドール。ハワイのノースショアに向かう途中にも、同じような光景があった。道ばたに木の板を貼り合わせただけの家が並んでいて、農園労働者が暮らしている。

 翻って、マカティ。巨大なコンドミニアムとショッピングモールが乱立して、こぎれいな人々ばかり。物価は日本並みだし、コーヒー飲むと日本より高かったりする。BMWもけっこう走っている。車線の合流点に信号は少なくて、とりあえずクラクションを鳴らしまくって突入する。声がでかい者が勝つ。交通ではフィリピーノ、経済では中国系が強し。タクシーのフィリピーノはぎりぎりで前のポジションを取ると、軽く十字をきる。

 街で知りあったサンティアゴ氏が、暮らしぶりの変化を説明する。「3人の息子がいて、最後の1人がまだ大学生なわけよ。昔は靴を5足も持っていたけど、今はこのサンダルだけ」。そうして育てた子供、大学卒でも初任給は低い。最低賃金で日給400ペソ(1000円くらい)からスタートする。既卒でも、転職すると、また400ペソから再出発するケースが多い。ITとかの業界を除いて、流動性を前提としないシステムなのね。

 マニラ市内の高級ホテルは、日本人や欧米人のおっさんとフィリピン女性のカップルで溢れている。金払ってよろしくやっている。聞けば、多くの女性が大学生で、セメスターの合間に学費を稼いでいるんだとか。おっさんどもがホテルの部屋で「偉いね。自分で学費払ってるんだ」とか言ってる姿を想像して、気分が悪くなった。

 幸い、おれは中国系フィリピン人とみられることが多く、その手の女の子から声はかからない。日本人とみられると特にストリートでは危ないし、何よりちょっと罪悪感を伴う。

No.21|フィリピンにてComment(2)Trackback()

再就職?

2006/09/24(Sun)20:46

 地元の人々と。普段は飲まないビールも旨かった。

 写真の女性は、TVネットワークのマネージャー。若いのに。「男性のアンカーを探しているんだけど」といわれて、ちょっと考えた。「でも、今からタガログ覚えるのも大変だし・・」。「大丈夫、ムスリムの民兵とコネクションを作って、レポートしてくれればいいから。あなたが今回行ったより、もうちょっとだけ奥に入ってくれれば」。身が保ちません。日本帰ります。

 こちらでは年に何人ものジャーナリストが殺害されている。でも、犠牲になる人の多くは、当局と癒着して、現金の授受が慣習化したような人たちで、交渉のもつれから殺害されるのだとか。特に、多くのローカルメディアが乱立する中で、小規模で賃金の低い組織ほど、賄賂を受け取って報道内容をねじ曲げることも多いそうだ。警察官も、ジャーナリストの目の前で、容疑者のすねを竹でしばくとか。たしかに、筆者も捜査機関のゆるさは短期間で感じた。事件の証拠物件を惜しげもなく出してくるし、指紋も気にせず素手でベタベタ触るし。国家警察がJICAの支援を受けて、指紋の扱い方やらデータベース化のノウハウを学んでいるところだそうだが。

No.20|フィリピンにてComment(0)Trackback()

Gyoza-Udon

2006/09/24(Sun)00:25

 現地のジャーナリストと情報交換した後、マカティのホテルで原稿を書き上げる。夕方、また激しい雨が降る。

 小腹がすいたので、クーポンをもらった吉野家に入ってみた。牛丼レギュラーが69ペソ。米はこちらの細長い品種だけど、粘性が弱い分、牛丼には合うように思った。サイドメニューとして、天ぷらうどんとかアイスクリームとか、いろいろあるのだけれど、「ギョーザ・うどん」(写真)なるものを注文した。

 「うどん。あのギョーザが乗ったやつ」と、こちらが恐る恐る注文した瞬間に、店員のテスさんは奥の厨房に向かって、「Udon with Gyoza!!」と半ば絶叫。日本式社員教育の徹底なのかもしれないが、言ってる言葉が言葉だけに、こちらが恥ずかしくなった。言外に「この男は、うどんとギョーザを一緒に食うんだってよ」と言われているような。なぜか、サービスでクランベリージュースがつくもんだから、もう食べ合わせは無茶苦茶である。メニュー表にあったように、うどんの中にギョーザを入れず、別々に出てきたのが救いだった。味は意外にいけた。ギョーザはほとんど肉団子じゃねえかと言うくらい、具がぎっしり詰まっていた。

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